喫煙シーンをCGにする理由
yahooの記事で、喫煙シーンのCG加工は「現場に蔓延る過剰な自主規制」だとの記事がありました。
しかし、この記事に関してやや論点がずれている(不正確)ので説明します。
今回のドラマにおいてのCG加工は自粛がどうという話ではなく、改正健康増進法によるものです。
スタジオセットであれ、ハウススタジオ(撮影用に借りる場所)であれ、同法により簡単にリアルタバコが吸えなくなりました。
現状吸うこと出来る場所(専用の喫煙室など)でしか撮影できないのですが、おそらく撮影場所はそれに該当しない場所であるが故かと。
制作サイドは必然性があるとしてそのシーンを放送してもいいと考えたものの、撮影の際に本当のタバコを吸ってしまうと、健康増進法違反となり保健所等による処分の対象になってしまうためにCG処理をしたということにすぎません。
僕自身が(当該局ではないですが)相談受けたら、必然性があるシーンかどうかで判断しますし、今回のドラマは当然喫煙シーンは世相を映すものであるので、是非そのシーンは入れるよう、でも健康増進法には気を付けてね、と今回と放送と同じ対応で返すことになると思います。
メディア化に関わる課題とは~セクシー田中さんの問題から
先月起きた、セクシー田中さんにまつわる問題が今もなお議論が続いています。
小学館の編集サイドのコメントも気持ちが伝わりはするものの社としての今後は見えず、日本テレビはもっと事務的なコメントだけで内部調査を進めるとようやく公表するも、どのような内容かわからないがゆえに、火は鎮火していく様子もなく、より燃え上がっています・・・。
僕自身は当事者(当時社?)ではないがゆえに各報道の内容でしか把握できていません。
その上で現段階での思いは書き記します。
原作者 ⇔ 出版社 ⇔ メディア(放送、配信、映画) ⇔ 脚本家
この図式の中で、原作者の世界観を守りたいという想いがきちんと伝わらず、脚本家はさらに良いものにするべく映像化のための脚本への熱い思いが伝わらず。。。
ボタンの掛け違いを起こさぬように間に入るところがキッチリしなければということです。
原作者と脚本家含め一同に会して、、などはマストでも何でもないです。
普通のビジネスに置き換えたら、そうそうないよねと分かると思います。問屋とか代理店とか入れている業界たくさんありますよね。
よってすべき事は、ボタンの掛け違いがなぜ起きたか、それを把握したうえで、今回の当事者だけでなく、すべてのメディア化にかかわる人たちがこれからどこを注意したらいいのかなど対応策を考えていくのが次善の策であり今後の課題です。
映像はドラマだけではありません、映像化するのはテレビだけではありません、原作は漫画だけではありません。
アニメ化であっても、配信であっても、小説をもとにするにも、同じ留意が必要と言えるでしょう。
二度とこのような悲しい事件が起こらないよう・・・・。
差別用語を知る4【精神障害】
【発狂】【狂う】【くるう】
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放送で禁止される用語は無い、その前提でいろんな差別用語の意味をまとめます。
マスコミ関係者だけでなく、企業広報などで誤って使用しないように、その背景も語っていきますね。
このまとめは「○○するな!」というものではありません。自分の頭でどうしたらいいのか、考えてもらうためのイチ材料だと思ってください。
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発狂。この言葉ほど年代によって重みが変わるものは無いのかもしれません。
例えばYouTube。「発狂」で検索すると数多くの動画が出てきます。
(僕のパソコンではヒカキンさんの「発狂集」が一番上に出てきました)
そしてこれらの動画には何のためらいというか躊躇もない形で、ギャーとかワーとか常軌を逸した興奮状態になっている様子に対して使用されています。
ただこれが年齢層高くなると、発狂の意味は「気が触れる」「精神がおかしくなる」、いわゆる「精神障害」という意味合いで捉えられることが多いです。
よってその表現の場がオールターゲットなのかどうかで扱いは変えるべき言葉だと考えます。
何年も前ですが(04年?)、ラジオのオールナイトニッポンで某アイドルが興奮状態のことを指して「発狂、発動」と言い、番組内で不適切な発言があったとお詫びコメントが読まれました。
ラジオやテレビは高齢者も相当数見聞きしていることからそのような対応にならざるは得ないでしょう。生放送でなければ事前にカットもするかなと。
「狂う」という言葉も使われ方次第ではあって、気が=精神がおかしくなるという文意や用法であれば注意が必要とされます。一方で単に調子がおかしいことを指す場合、例えば「時計がくるう」などのような場合には何にも問題ありません。一つ留意すべきは、文字で出す時は「狂う」ではなく「くるう」と平仮名にしておく方がいいかなというくらいです。
あともう一つ、キチガイも「気違い」=精神が違う=精神に異常をきたしているということから来ている言葉ですので、原則放送では使用すべきではないでしょう。
なお熱烈な阪神ファンのことを指す「虎キチ」のように元は「虎キチガイ」からきた言葉も今では随分市民権得た言葉になってきたとは思います。
言葉は生き物で、時代に応じて良し悪しが出るものなので、そろそろこの用法はいいのかもしれませんね。
以上は主に放送に関してではありましたが、企業としての発信などもおそらくオールターゲットが多いでしょうから、同じ考え方でいいのではないでしょうか。
差別用語を知る3【身体障害】
【体の部位を使った表現】【足切り】【見る目が無い】【手が無い】
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放送で禁止される用語は無い、その前提でいろんな差別用語の意味をまとめます。
マスコミ関係者だけでなく、企業広報などで誤って使用しないように、その背景も語っていきますね。
このまとめは「○○するな!」というものではありません。自分の頭でどうしたらいいのか、考えてもらうためのイチ材料だと思ってください。
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世の子供たちは(といってももう成年扱いになってますが)大学受験の真っただ中ですね。
その際にかつてよく聞いた言葉「足切り」というのがありました。
それは共通テストの成績如何で二次試験に進めないという、厳しい制度のことですが、その言葉は今はほとんど使用されなくなっています。
言いかわった言葉は「二段階選抜」。リアルに足をちょん切るイメージから身体障害者への侮蔑に当たるのではという意見からかと聞いています。
僕が趣味としている市民マラソンでも制限時間に通過できないのを足切りでは無く「関門に引っかかった」とか言うようになってますね。
この手(!?)の身体の部分を使用した言葉、すべてがよろしくないと思っている方もいるようですが、これらもまさに使用方法がリアルに体の部位の欠損などにつながるかどうかで判断すべきかと思います。
・手が無い・・・「手段」がない
・手が切れる・・・「縁・関係」が切れる
・片手落ち・・・一方だけに「手落ち=落ち度」がある
・足が無い・・・「交通手段」がない
・足を奪う・・・「移動手段」を奪う
・足を使う・・・活発に「動き」回る
・足を延ばす・・・いま来ている所より、「さらに遠くまで」行く
・手取り足取り・・・細かいところにまで「行き届いた世話」をする
・見る目が無い・・・「判断力」がない
・目が無い・・・ 「夢中になって、思慮分別をなくす」ほど好き
こう見ると身体の部位そのものが欠損することを言っているのは実は少ないんです。
(これらと比較して、足切りはちょっとイメージは良くない気がしますね)
言葉として出てきたから、例えることすら即NGとするのはやめてみましょう。
自ら考えて表現することで、本当にしてはいけない表現というのが見えてくると思います。
差別用語を知る2【身体障害】
【だるま】
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放送で禁止される用語は無い、その前提でいろんな差別用語の意味をまとめます。
マスコミ関係者だけでなく、企業広報などで誤って使用しないように、その背景も語っていきますね。
このまとめは「○○するな!」というものではありません。自分の頭でどうしたらいいのか、考えてもらうためのイチ材料だと思ってください。
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(先週、人権なども含んだ放送倫理の講演会に言っていて更新怠ってました、、、。)
ダルマさんが転んだ、、、そのだるまです。
その何がってお思いの方がおられるかもですが、これに関しても放送では留意しています。
注意すべきシチュエーション、それは選挙や合格などの際に「片目のダルマに目を入れる」いわゆる目入れ行為を避けるようにしています。
その意図としては「両目になって完全とする」、逆に言えば片方しか見えないと不完全としてとらえられるということです。
いやいやそんなの気にしすぎというのもあるかもですが、実際には視覚障害者の方からすれば嫌な気持になるとのことで、20年前の選挙の際、自民党や民主党(当時)に対して当事者団体が申し入れをしました。
それまでは選挙の本部中継ではダルマが出てきていましたが、それから今よく見るバラを付けるスタイル(バラの数で勝負?)になったということです。
でも地方の選挙事務所ではまだまだダルマもあり、その際には映り込まないよう涙ぐましい(笑)努力を。。。
なお、土産物などのダルマは何の問題もないです。目入れをもって完全、その発想だけでダルマには何の罪もありません。
放送はオールターゲットでもあるので、そこまで留意していますが、みなさまで随時判断ください。
あ、おまけですが、ダルマのあの丸いのは達磨大師が長らく座禅を組んで手足が落ちた(溶けた?)から身体障害者を指すので放送に適しない・・・のような書き込みあったりしますが、、、、俗説というかガセネタです。
丸まって座禅する姿をモチーフにしただけです(笑)
差別用語を知る1【身体障害】
【めくら】【つんぼ】【ちんば】
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放送で禁止される用語は無い、その前提でいろんな差別用語の意味をまとめます。
マスコミ関係者だけでなく、企業広報などで誤って使用しないように、その背景も語っていきますね。
このまとめは「○○するな!」というものではありません。自分の頭でどうしたらいいのか、考えてもらうためのイチ材料だと思ってください。
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身体障害に関する差別用語として「めくら」「つんぼ」「ちんば」は典型的です。
一般的に言われる言い換えは、めくら➡視覚障害、つんぼ➡聴覚障害、ちんば➡身体障害、こう言われています。
つんぼ・ちんばは今でもおじいちゃんおばあちゃん世代は使用するかもですが、あまり若い子たちは使用しないのかもしれません。
ただ使用しないからって、誰かが使用していたのをスルーしちゃうと、それこそ差別だと受け止められる危険があるのでご注意を。
さてこれらの三語は、差別的に使用されてきた歴史が長い言葉です。めくらは元々「目が暗い」、つまり「事情に暗い」と同じ意味となる、視界が「不確か」であったり、能力が無いことを指していたようです。
ただずっと差別的に使用されたことから差別を受けた人にとって見れば侮蔑されたと思われても仕方ない言葉です。
差別用語にはいろいろあって、元から差別的に使用された言葉と元は違うのだが後天的に差別の意味が加わった言葉、とが存在します。
今回の三語は少なくとも後者の色が強いです。
公共の電波で不特定多数に発信する放送局と、人権に対しての姿勢が問われる企業は、より留意が必要でしょう。
差別的に使用された障害者当事者の立場で語る場合には「あえて」使用すべきときもあると思います。
ただし最近、意味を知らない人が軽い感じ、例えば人の話をきちんと聞いてなかったことに対し「おまえつんぼか?」この言葉は当然ダメですし、仮に聴覚障害者と言い換えても何の解決にもなりませんよね。
言葉では無く、表現そのものが問題ということです。。。
差別?区別?2 学校教育
小学生の息子が友達から呼ばれるとき、下の名前で呼び捨てらしいです。
多くの子は下の名前が多いらしく、女の子男の子、差はないようです。
でも、県が異なる後輩の子どもは、一律苗字縛りとのこと。
さらに言うと、くんちゃん付けではなく「〇〇さん」一択。。
あだ名や呼び名がいじめにつながると、そういうことなのでしょうか。
これこそ、表現で僕が毛嫌いする言葉狩りです。
そして型にはめた大人の都合です。
放送禁止用語は無いと、僕が言った理由と同じ、つまり言葉を使う表現は使用法、つまり文脈で差別的な取り扱いになるんです。
あだ名で仮に呼ばれても本人が気に入っているか、逆に気にしてないか、差別的に呼ばれていないかなど、そこを先生が個別に確認できたらそのままでもいいんです。
幼稚園まで下の名前で呼んでても小学一年生になると〇〇さん?!
先生に強要され、それこそ自己表現できない大人になりかねません。
だから僕たち大人が、放送禁止用語だなんだと自己規制して自粛するのではなく、如何に豊かな表現をし続けるか、、、、、。
大切なのは、取り扱いを差別しないのではなく、差別的な取り扱いをしないということです。