放送禁止用語って無いんです

~テレビから差別表現を考える〜

差別用語を知る4【精神障害】

【発狂】【狂う】【くるう】

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放送で禁止される用語は無い、その前提でいろんな差別用語の意味をまとめます。

マスコミ関係者だけでなく、企業広報などで誤って使用しないように、その背景も語っていきますね。

このまとめは「○○するな!」というものではありません。自分の頭でどうしたらいいのか、考えてもらうためのイチ材料だと思ってください。

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発狂。この言葉ほど年代によって重みが変わるものは無いのかもしれません。

例えばYouTube。「発狂」で検索すると数多くの動画が出てきます。

(僕のパソコンではヒカキンさんの「発狂集」が一番上に出てきました)

 

そしてこれらの動画には何のためらいというか躊躇もない形で、ギャーとかワーとか常軌を逸した興奮状態になっている様子に対して使用されています。

ただこれが年齢層高くなると、発狂の意味は「気が触れる」「精神がおかしくなる」、いわゆる「精神障害」という意味合いで捉えられることが多いです。

 

よってその表現の場がオールターゲットなのかどうかで扱いは変えるべき言葉だと考えます。

何年も前ですが(04年?)、ラジオのオールナイトニッポンで某アイドルが興奮状態のことを指して「発狂、発動」と言い、番組内で不適切な発言があったとお詫びコメントが読まれました。

ラジオやテレビは高齢者も相当数見聞きしていることからそのような対応にならざるは得ないでしょう。生放送でなければ事前にカットもするかなと。

 

「狂う」という言葉も使われ方次第ではあって、気が=精神がおかしくなるという文意や用法であれば注意が必要とされます。一方で単に調子がおかしいことを指す場合、例えば「時計がくるう」などのような場合には何にも問題ありません。一つ留意すべきは、文字で出す時は「狂う」ではなく「くるう」と平仮名にしておく方がいいかなというくらいです。

 

あともう一つ、キチガイも「気違い」=精神が違う=精神に異常をきたしているということから来ている言葉ですので、原則放送では使用すべきではないでしょう。

なお熱烈な阪神ファンのことを指す「虎キチ」のように元は「虎キチガイ」からきた言葉も今では随分市民権得た言葉になってきたとは思います。

言葉は生き物で、時代に応じて良し悪しが出るものなので、そろそろこの用法はいいのかもしれませんね。

 

以上は主に放送に関してではありましたが、企業としての発信などもおそらくオールターゲットが多いでしょうから、同じ考え方でいいのではないでしょうか。